ミョルニール(誘導爆弾)は発射物判断チップで「爆弾」「高速飛翔体」「全て の発射物」として検知される。しかし、実際には検知できないことが往々にあ り、木偶のように飛来するミョルニールを食らうことがよくある。
そんなことを先日話題にしたところ、HIDさんから、発射高度と距離毎のミョ ルニールの検知の可否、検知距離に関する測定データを頂いた。眺めながら、ふ と気づいたことがあるので、ここに記す。
次の表は、HIDさんから頂いたデータを基にして、精度を上げて測りなおした ものである。特定高度、特定XY距離からミョルニールを撃った際に、対象機体 がミョルニールを検知するタイミングである。対象機体は検知チップ「全ての 発射物 800m」を用いて、毎フレーム検知している。仰角は対象機体から爆撃 機を見上げた仰角である。高度約20mと高度約100mについて調べた。
高度差 | XY距離 | 仰角 | 検知 |
---|---|---|---|
21.5 | 18.2 | 49.7 | 発射時 |
22.0 | 34.2 | 32.7 | 発射時 |
21.4 | 48.5 | 23.8 | 発射時 |
21.6 | 53.6 | 21.9 | 発射時 |
22.0 | 54.4 | 22.0 | 発射時 |
21.3 | 56.1 | 20.7 | (目標機体から見て)43m |
20.7 | 57.8 | 19.7 | 40m |
21.0 | 62.8 | 18.4 | 32m |
22.0 | 67.7 | 17.9 | 29m |
21.3 | 82.0 | 14.5 | 21m |
21.1 | 99.0 | 12.0 | 13m |
21.6 | 147.7 | 8.3 | 6m |
20.9 | 197.5 | 6.0 | 被弾時 |
21.2 | 248.6 | 4.8 | 被弾時 |
100.7 | 148.9 | 34.0 | 発射時 |
101.6 | 248.6 | 22.2 | 発射時 |
101.3 | 257.5 | 21.4 | 発射時 |
101.7 | 278.2 | 20.0 | 225m |
100.8 | 299.2 | 18.6 | 90m |
100.7 | 317.5 | 17.6 | 50m |
101.2 | 338.4 | 16.7 | 32m |
98.6 | 379.4 | 14.6 | 15m |
この表を見ると、仰角が21度付近で挙動が分かれることが判る。 下の図を見てほしい。
目標機体から仰角21度以下のゾーンが灰色で塗られている。これより上にいる 爆撃機(1)からのミョルニールは、常に発射時に検知される。一方、これより 下にいる爆撃機(3)からのミョルニールは、至近距離に到るか、または最後ま で検知できない。
微妙なのは、境界にいる爆撃機(2)である。これは、上の表では、下から4 行目の、高度100.8m、XY距離299.2mからの爆撃に当たる。これは90mで検知さ れている。これ以外にも、角度に応じて検知距離が変化するが中間距離で検知 されるものがある。これは、図の青い点線のように、ミョルニール発射時には 不可視領域内であるのに、着弾間際になって、可視領域に出てきたとすれば、 説明がつく。射撃の目標となる本体と、角度算出している地点(恐らく足元か?) がずれているのだろう。
根拠はある。十分浅い角度からミョルニールを撃つと、被弾直前に検知で きるか、被弾時にも検知できないか、のいずれかであるが、観察していると、 検知できた時は機体の上部に当たっていることが多い。つまり、弾道が上に反 れると可視領域に入るため検知できるということだ。
以上のことから、爆弾は仰角約20度以上のものしか検知できない、と 結論付けられそうだ。