誘導爆弾の謎
2007-03-06


しばらくレーティングのことばかり書いていて、堅い話ばかりだったので、今 回は普通のネタを。

ミョルニール(誘導爆弾)は発射物判断チップで「爆弾」「高速飛翔体」「全て の発射物」として検知される。しかし、実際には検知できないことが往々にあ り、木偶のように飛来するミョルニールを食らうことがよくある。

そんなことを先日話題にしたところ、HIDさんから、発射高度と距離毎のミョ ルニールの検知の可否、検知距離に関する測定データを頂いた。眺めながら、ふ と気づいたことがあるので、ここに記す。

次の表は、HIDさんから頂いたデータを基にして、精度を上げて測りなおした ものである。特定高度、特定XY距離からミョルニールを撃った際に、対象機体 がミョルニールを検知するタイミングである。対象機体は検知チップ「全ての 発射物 800m」を用いて、毎フレーム検知している。仰角は対象機体から爆撃 機を見上げた仰角である。高度約20mと高度約100mについて調べた。

高度差 XY距離 仰角 検知
21.5 18.2 49.7 発射時
22.0 34.2 32.7 発射時
21.4 48.5 23.8 発射時
21.6 53.6 21.9 発射時
22.0 54.4 22.0 発射時
21.3 56.1 20.7 (目標機体から見て)43m
20.7 57.8 19.7 40m
21.0 62.8 18.4 32m
22.0 67.7 17.9 29m
21.3 82.0 14.5 21m
21.1 99.0 12.0 13m
21.6 147.7 8.3 6m
20.9 197.5 6.0 被弾時
21.2 248.6 4.8 被弾時
100.7 148.9 34.0 発射時
101.6 248.6 22.2 発射時
101.3 257.5 21.4 発射時
101.7 278.2 20.0 225m
100.8 299.2 18.6 90m
100.7 317.5 17.6 50m
101.2 338.4 16.7 32m
98.6 379.4 14.6 15m

この表を見ると、仰角が21度付近で挙動が分かれることが判る。 下の図を見てほしい。

目標機体から仰角21度以下のゾーンが灰色で塗られている。これより上にいる 爆撃機(1)からのミョルニールは、常に発射時に検知される。一方、これより 下にいる爆撃機(3)からのミョルニールは、至近距離に到るか、または最後ま で検知できない。

微妙なのは、境界にいる爆撃機(2)である。これは、上の表では、下から4 行目の、高度100.8m、XY距離299.2mからの爆撃に当たる。これは90mで検知さ れている。これ以外にも、角度に応じて検知距離が変化するが中間距離で検知 されるものがある。これは、図の青い点線のように、ミョルニール発射時には 不可視領域内であるのに、着弾間際になって、可視領域に出てきたとすれば、 説明がつく。射撃の目標となる本体と、角度算出している地点(恐らく足元か?) がずれているのだろう。

根拠はある。十分浅い角度からミョルニールを撃つと、被弾直前に検知で きるか、被弾時にも検知できないか、のいずれかであるが、観察していると、 検知できた時は機体の上部に当たっていることが多い。つまり、弾道が上に反 れると可視領域に入るため検知できるということだ。

以上のことから、爆弾は仰角約20度以上のものしか検知できない、と 結論付けられそうだ。


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[Carnage Heart]

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